レンタルサーバーの種類

1. 共有レンタルサーバー(共用サーバー)
2. 仮想専用サーバー(準専用サーバー / VPS)
3. 専用レンタルサーバー


1.共有レンタルサーバー(共用サーバー)

 「共有(共用)レンタルサーバー」は、数十人から数百人分のホームページスペースを「1台のサーバー」で管理・運用するサービスのことをいいます。レンタルサーバー会社では、こういった共有サーバー(1台のサーバー)を多数保有し、数多くのホームページスペースをレンタルしています。例えば、70人分のホームページを収容できる共有サーバーを20台保有しているなら、70人×20台= 約 1,400人もの顧客を抱えることができる、という計算になります。

 この「一つのサーバー」当たりに収容するホームページの数が多ければ多いほど、またCGIや動画などを多用するホームページが多ければ多いほど、サーバーに与える負荷は大きくなり、表示速度は遅くなります(表示が重くなります)。

 この共用サーバーは、最近では月額1,000円以下で提供している会社が激増しており、我々利用者にとっても大変身近な存在となってきています。私も幾つかホームページを運営していますが、その全てが共用レンタルサーバーを使用しています。

 しかし、安くなった分、1つのサーバーでの混雑度が増している可能性があります。そのため、レンタルサーバー会社がどの程度のレベルのサーバーを使用し、どれくらいの数のホームページ(サイト)を収容しているのかを、事前に把握しておく必要があります。ただ、この「収容数」について会社に問い合わせても、大まかな数字しか教えてくれないことが多いようです。したがって、レンタルサーバー各社の「お試し利用期間」などを使ってみて、実際にどの程度の表示速度が保たれているのかを確認してみると良いと思います。
共用レンタルサーバーを比較 … 月額~500円月額~1,000円月額~2,000円月額2,000円超


2.仮想専用サーバー(準専用サーバー / VPS)

 「仮想専用サーバー」とは、1台のサーバーを他の利用者と共同で使用するものの、そのサーバー内に利用者ごと独立したOSを使用できるサービスをいいます。つまり、共用サーバーでありながら、専用サーバーに近い機能が使えます(仮想的に専用サーバーと同等の機能が使えます)。具体的に言うと、共用サーバに特殊なソフトをインストールし、個々のユーザがあたかも管理者権限(root権限)を持っているかのように設定することにより、管理者権限が必要なソフトを動作させることなどが可能となります。

 このように、仮想専用サーバーは、専用サーバーに近い機能を使う一方で、専用サーバーのように実際にサーバー1台を丸ごと占有するわけではないので、レンタル価格は共有サーバーと専用サーバーとの中間くらいの価格になっています。

 なお、仮想専用サーバーは、「準専用サーバー」、「VPS」、「バーチャル・プライベート・サーバー」などとも呼ばれています。


3.専用レンタルサーバー

 専用レンタルサーバーとは、1台のサーバーを丸ごとレンタルできるサービスをいいます。ひとり占めできるということは、「処理が重い」「混雑時にスピードが出ない」「容量が少ない」「自由度が低い」「共用ユーザー間でのセキュリティーが心配」といったトラブルは、ほとんど生じないことになります。また、負荷のかかるソフトも自由にインストールして利用できます。 容量制限も気にする必要がありません

 一般的に、専用レンタルサーバーは管理体制が整ったデータセンターに設置されています。このため、データのバックアップ処理、防火/耐震/空調設備の完備、高速のバックボーンなどについて、万全に近い体制が敷かれています。つまり、個人によるいわゆる「自宅サーバー」によるホームページ管理よりも安定した運用がなされていることが多いようです(具体的な装備内容などは、サーバー会社に問い合わせてみましょう)。

 じゃあ、このような立派な専用サーバーをどのような場面で使い切ることが出来るのか・・・。今思いつく活用シーンは、以下のとおりです。すなわち、

会社(法人)などが膨大なデータを処理・運用するサーバーとして利用できる。共用サーバーのユーザー間による顧客情報の漏洩の心配をしなくて済む
法人や個人が運営する多数のサイトを一括して集約できる。しかも重いデータや特殊なプログラムも使い放題!
あなた自身が「共有レンタルサーバー会社」になることだって出来るんです。つまり、サーバーの再販が可能です(元売りのレンタルサーバーの規約で許可されている場合に限る)。
今人気の「ライブチャットサービス」をご自分で自由自在に運用することも可能!(ただし、レンタルサーバーの規約で許可されている場合に限る)

 ③や④は「お金がストレートに儲かる事例」ですが、その一方で「顧客管理技術」、「サポート」、「セキュリティ面」、そして「技術面」などについての知識があり 且つ それに対して責任を持てる人でないと、なかなか難しいとは思いますので、ご注意ください。


[余談&コーヒーブレイク]

 上記③のケースを検証してみましょう! 例えば、「30GB(30,000MB)の容量」&「月額20,000円」の専用サーバーを再販する場合、再販条件として一人当たり「100MB」&「230円」と設定すると、以下のような計算になります。

 まず、 サーバーの容量 30,000MB ÷ 一人当たり付与容量 100MB = 300人
が利用可能となります。ただ、実際にはパンパンに詰め込めないので、許容できる収容人数を225人分(300人の75%)とします。

 すると、専用レンタルサーバー1台が生み出す売上は @230円×225人=51,750円となります。

 したがって、仕入価格20,000円、インターネット接続代、光熱費など(約6,000円)を引けば、理論的には 差引 25,000円 程度の収益が生まれます。仮にこのようなサーバーを10台レンタルすれば、25万円の利益となります(税引前利益。専用サーバーの初期設定費用と顧客からの初期設定収入を除いたケース)。

 しかし、予定通りにお客さんが確保できる保証がないこと、顧客によるCGIの暴走やウィルスなどのトラブル処理にも24時間体制で対処しなければならないこと、個人情報保護法に基づいて顧客情報を厳重に管理しなければならないことを考えると、なかなかうまくいくものではありません。あくまでも想定の話ですので、実施する場合には、自己責任の範囲内で行ってください。